2020/02/17 23:07
かなり遅れちゃってますが2018年11月のショーの衣装の振返りをしていきます。
トップバッターのふたりに着てもらったのは
優しい洗いざらしのリネンのワンピース。
レースなどの装飾もなければボタンもない
至ってシンプルな、オールホワイトのワンピースです。
残念ながら1番手で歩いてくれた女の子は終了後すぐに着替えてしまったので写真が少ないのですが、
バックスタイルのも1枚見つかりました。
背中のりぼんで襟元の開きを調整するだけの、本当にシンプルな1着です。
肩は下げ気味で袖にはぽわんと膨らみを持たせました。
こちらの女の子のワンピースはもう少しデコラティブに。
天使の羽根をイメージして後ろ寄りについたフリルと袖にはタックを。
薄手の生地なので透け感がありタックをとるにはぴったりです。
リネンは触り心地や風合いが持ち味なので小細工は必要ありません。
その分どちらのワンピースも生地をたっぷり使い1枚で着ても十分な存在感に。
今回のショーではヘアメイクも子ども本来の可愛らしさを活かすために華美なことはしませんでした。
メイクは一切していませんがヘアースタイルも凝りすぎずにラフに。
草冠など用意しようかなとも思ったのですが‥あえて素朴なスタイルにしてみました。
元々七五三や某テーマパークでの過度なヘアーメイクが苦手なのですが
子どもの髪は少しほどけたくらいが一番可愛いとさえ思っています。
瀬田貞二さんがされた講話でこんな一文があります。
"小さい子のためのお話というのは、単に、わかりやすく衛生的であればいい、なんか面白い言葉が入っていればいい、といったものでは絶対にない。それが納得され、満足されるだけの強い力がそこに内在していなければ、お話は成り立たないんだということが、一つ一つの作品を具体的に検証していくなかから、おのずと浮かび上がってくるんじゃないかと思います。"
瀬田さんは日本の児童文学の重鎮だった方ですのでこの言葉も絵本や文学に対して言っているのですが
同じことが子ども服の世界にも言えると思います。
量産される子ども服や、子どもが好きだろうと大人が決めつけているイメージに
どれほどの影響力があるのか考えてみてほしい。
派手に飾ったり大人の真似事をさせたところで子ども本来の可愛さは引き立たないはずです。
子どもたちの奥底に"納得され、満足されるだけの強い力"が内在した服を
作れるようにこれからも服作りをしていきたいと思っています。
yuki